Art
ステートメント
伝統左官で用いられてきた漆喰と藍・色土などの自然素材を使い、自然がもたらす偶然の美しさと自分の内面から湧き出るエネルギーと対話をしながら、導かれるように鏝(コテ)を動かし、生み出される抽象画『koteto』。
漆喰や藍は言わずもがな、人間もまた自然界の一部です。自然を相手にすることは、不安定さや不確実性を作品に内包すること。人工物にはない、特有の難しさがある一方で、それが作品の豊かさにつながっていきます。
この作品は時間と共に変化し、永遠に完成することはありません。作品の前に立つと、人もまた留まることのない時間の流れの中にあることを自覚し、いかに存在すべきかと自問せずにはいられません。
静謐と緊張、躍動と生命感。漆喰の白に藍色が浸み込んでゆく風景は、山にも見えるし、大海原にも見える。水面を想像する人もいれば、深海に誘われる人もいるかもしれません。作品を観ているあなたの「いま」と呼応することで、その表情は無限に変化していくのです。
statement
The abstract painting ``koteto'' is created by using natural materials such as plaster, indigo, and colored clay that have been used in traditional plastering. It is produced by moving the trowel as if guided by the conversation with chance beauty of nature and the energy that flows from within me.
Needless to say that plaster and indigo are a part of the natural world, and so as humans are.
Dealing with nature means incorporating instability and uncertainty into my work. While there are unique difficulties that are not found in artificial objects, this leads to the richness of the work.
This work changes over time and will never be completed. When you stand in front of this work, you become aware that you, too, are in the never-ending flow of time, and you cannot help but ask yourself how you should exist.
Serenity and tension, dynamism and a sense of life. When the indigo color permeates the white plaster, looks like a mountain or the ocean. Some people may imagine the surface of the water, while others may be drawn to the deep sea. Its expression changes infinitely as it responds to your ``now'' moment when you are viewing the work.
蒼き昇龍
現代芸術家の白道氏と初めてのコラボ作品。上昇気流を思わせる藍漆喰の作品を見て、白道氏は浮かびますよと言い、自身のアトリエに持ち帰られました。 絵入れされた作品は上下逆さまになり力強い白龍が昇っており、見違えるほど迫力ある作品になりました。
2022.12
漆喰、藍、麻、木板、青墨
伊吹
伊吹山の見える川の隣で制作。手任せに描いた後見上げた先にドッシリと構える伊吹山を見てそのものだと思う。水分量で色斑がまた山をへ強調させた。
2023.7
漆喰、藍、麻、木板
318×410mm
命
この作品の直前に「豊」をテーマにした作品を制作。思いの外力強い作品になり、この力強さはどこから来たのかを感覚的に描いた作品です。細胞、遺伝子、生命力という辺りを思い、命としました。
2023.1
漆喰、藍、墨、麻、木板
530×530mm
ゆとり
藍漆喰の初代作品「藍波」が誕生してから波動をありのままに描く作品をいくつと作りました。力強さある波の作品が続いたとき、力を抜いた作品を作ろうと「ゆとり」が完成しました。
2023.5
漆喰、藍、麻、木板
333×333mm
種
藍染めした麻スサ漆喰で玉を描き、その上を鏝を跳ねるように押さえます。種のようにまだ見えない可能性が開いていく様子です。
2024.2
漆喰、藍、麻、木板
270×220mm
雪夜
2023年ただただ、藍漆喰の発色が美しく仕上がった作品。何もないようなあるような作品に刷毛で漆喰を上乗せしました。色や動きなど見方が印象が変わりました。
2024.1
漆喰、藍、麻、木板
227×158mm
動
制作前は心の静けさに何か湧くのだろうかと思いながらいました。ただ集中して手を動かし、湧いた作品は動を感じさせるものでした。
2023.7
漆喰、藍、麻、木板
455×530mm
龍のいる空
空が背景のようで中心でもあるこの作品には、龍の動きある藍波が見られます。空がとても幻想的に仕上がり、これと同じものは作れないだろうと思います。
2023.5
漆喰、藍、麻、木板
410×318mm
宙
宇宙のことをぼんやりと思っていた時期の作品です。星の流れ、地球、大気圏外などあり、生物がいるような、いないような。
2024.1
漆喰、藍、麻、木板
455×380mm
大気
地球の表面を思わせる曲面を描くと、黄色から緑へと化学反応が起きました。そのまま大気圏の層を描きました。時間と共に濃紺が白く変化し、さらに風合いが感じられる作品になりました。
2022.11
漆喰・藍・麻・木板
530×455mm
華
左官のコテ塗りパターンである8の字ラフで描きながら、渦を感じて華を見た時、左官デザインから離れた瞬間があり手を止めました。
2022.10
漆喰・藍・麻・木板
307×307mm
飛び石
地元にある相川の飛び石。ビジュアルとして脳でイメージできなくとも、感覚を辿ることで浮かぶ絵があります。描く気がなくても描かれてしまう摩訶不思議な作品でした。
2023.6
漆喰・藍・麻・木板
333×333mm